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こんなお悩みを解決します。
日本のいわゆる三大国家資格と言われる資格の1つとして「公認会計士」が挙げられます。
名前を聞いたことがあっても、公認会計士が何をしているかや、どうやってなるのかについてはあまり知らないのではないでしょうか。
本記事では
について解説しています。
これを読めば、公認会計士がどのような資格なのかわかると思います。
三大国家資格とは
日本のいわゆる三大国家資格としては、医師、弁護士、公認会計士の3つが挙げられます。
他にも、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士の3つが挙げられることもあります。
いずれにしても名前の挙がっている弁護士と公認会計士のうち、「公認会計士」という資格について、どのような資格か、どのような仕事をしているのか、収入面や将来性などについて紹介していきます。
公認会計士とは
公認会計士は、監査と会計のプロフェッショナルです。
公認会計士とは何か、公認会計士の使命は何か、という点について、公認会計士法という法律の1条に記載があります。
(公認会計士の使命)
第一条 公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。
引用:公認会計士法|e-gov
主な業務のうち、監査は、公認会計士だけが行える独占業務で、顧客である会社の作成した財務諸表が正しく作成されているかを、第三者の立場からチェックし、財務諸表の正確性について保証する仕事です。
その他にも、コンサルティングや税務業務など、会計に関わる幅広い内容の仕事をしています。
公認会計士になるには
公認会計士になるには、3つの試験に合格する必要があります。
1次試験としての「短答式試験」、2次試験としての「論文式試験」、3次試験としての「修了考査」の3つの試験があり、これらに合格することで公認会計士と名乗ることができるようになります。
「修了考査」を受けるには、「論文式試験」合格後に行う実務補習の修了と実務経験が必要になりますので、本記事では「論文式試験」の合格までについて解説していきます。
試験内容
試験は「短答式試験」と「論文式試験」の2段階になります。
「短答式試験」は、マークシート方式による試験です。
試験科目は4科目で、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法になります。
「論文式試験」は、名前の通り記述式の試験です。
試験科目は5科目で、会計学、監査論、租税法、企業法、選択科目になります。
選択科目は、経営学、経済学、民法、統計学から選んで試験を受けることになります。
短答式試験 | 論文式試験 | |
回答方法 | 選択式(マークシート) | 論述 |
試験科目数 | 4科目 | 5科目 |
試験科目 |
|
|
(※)選択科目は、経営学、経済学、民法、統計学から1つ選択
試験科目についても簡単に解説すると、
短答式試験の財務会計論は、簿記1級の簿記と会計学の内容をさらに広く深くしたもの、
管理会計論は、工業簿記と原価計算の内容をさらに広く深くしたもののイメージです。
監査論は、公認会計士のメインの業務である「会計監査」について、
企業法は、主に会社法という法律について学びます。
また、論文式試験の会計学は、短答式試験の財務会計論と管理会計論を併せたもの、
租税法は、法人税、所得税、消費税について学びます。
受験資格
受験資格は特にありません。
公認会計士と名乗るために合格しなくてはならない最後の試験(修了考査)には、実務経験等の受験資格がありますが、公認会計士を目指す人が最初に受験する「短答式試験」は誰でも受験できます。
医師国家試験の「医学部を卒業」や司法試験の「法科大学院の課程を修了」、「予備試験に合格」といった条件はなく、年齢、学歴、国籍等は関係なく、お金を払えば誰でも受験できます。
公認会計士試験 | 医師国家試験 | 司法試験 | |
受験資格 | なし |
など |
など |
詳細 | 公認会計士・監査審査会HP | 厚生労働省HP | 法務省HP |
資格試験の難易度
会計関係の資格の最高峰であり、文系の資格でも最難関に位置づけられることが多い資格です。
ここからは、資格取得までの勉強時間や、合格率等について解説していきます。
勉強時間
簿記の学習経験の有無にもよりますが、一般的に2次試験の論文式試験の合格までで、3,000時間程度の勉強時間が必要と言われています。
日数にすると、毎日7時間の勉強を継続できて428日、10時間でも300日のため、最短でも1〜2年程度はかかる計算です。
合格ラインと合格率
「短答式試験」は年2回(12月と5月)、「論文式試験」は年1回(8月)実施されています。
直近の合格発表から合格点と合格率を見ると、
2023年短答式試験の第1回(2022年12月実施)は、合格率10.4%、合格点は71%以上の取得、
2023年短答式試験第2回(2023年5月実施)は、合格率8.8%、合格点は69%以上の取得が合格ラインでした。
2023年論文式試験(2023年8月実施)は、合格率7.6%、合格点は偏差値で52.0以上でした。
短答式試験は、全科目平均で7割の問題に正解すれば良く、論文式は、受験者の平均点を少し上回れば合格できますが、出題の範囲が広く幅広い知識や理解が必要です。
公認会計士試験 | 短答式試験第Ⅰ回 | 短答式試験第Ⅱ回 | 論文式試験 | |
受験者数 | 20,317人 | 11,401人 | 10,429人 | 4,192人 |
合格者数 | 1,544人 | 1,182人 | 921人 | 1,544人 |
合格率 | 7.6% | 10.4% | 8.8% | 36.8% |
合格点 | 右記参照 | 71%以上 | 69%以上 | 偏差値52.0以上 |
令和5年公認会計士試験の 合格発表の概要について |
試験結果の概要 (令和5年公認会計士試験 第Ⅰ回短答式試験) |
試験結果の概要 (令和5年公認会計士試験 第Ⅱ回短答式試験) |
令和5年公認会計士試験の 合格発表の概要について |
ちなみに、論文式試験の合格率は、短答式試験の願書を提出した人のうち、論文式試験に合格した人の割合となっています。
論文式試験を受けた人を分母とした場合の合格率は36.8%(2023年8月実施)ですので、短答式試験に合格すれば、その後の試験は3人に1人が合格できる試験です。
参考程度に公認会計士試験の合格率を医師国家試験、司法試験、司法試験予備試験と比較してみます。
医師国家試験も司法試験も、公認会計士試験と比べて、合格率は非常に高いですが、そもそも受験資格を得るまでのハードルが非常に高いです。
公認会計士試験 | 医師国家試験 | 司法試験 | 司法試験予備試験 | |
合格率 | 7.6% | 91.7% | 45.5% | 3.6% |
詳細 | 令和5年公認会計士試験 (論文式試験)の合格点及び 合格率等について |
第116回医師国家試験の 学校別合格者状況 |
令和4年司法試験の 結果について |
令和4年司法試験予備試験の 結果について |
合格者の年齢層
誰でも受験できますので、10代の合格者もいます。
2022年8月に実施された論文式試験の合格者を見ると、17歳で合格されている方がいます。
また、合格者の大部分は、20歳から30歳の方で、全体の87.8%になります。
学生のうちに合格すると、アルバイトとして監査法人で働くことができ、どこの監査法人で働くかにもよりますが、時給3,000円前後で雇ってもらえます。
公認会計士に興味を持っていただけたら、CPA会計学院で無料の資料請求を行って、資料請求者限定特典のWeb講義も受講してみてください。
CPA会計学院の合格実績
- 公認会計士試験のCPA合格実績は786名/全体合格者1,544名(2023年)
- 全体合格者の50.9%(2人に1人)がCPA会計学院の受講生(2023年)
※CPA会計学院公認会計士試験合格者数786名は、2023年合格目標の初学者または再受験者対象のCPA本科コースを受講した方のうち、論文式試験に合格された方を対象としております。
※全体合格者数は、公認会計士・監査審査会「令和5年公認会計士試験の合格発表の概要について」に記載の論文式試験合格者数をもとに記載しています。
※CPA会計学院合格者占有率は、令和5年公認会計士試験合格者数に占めるCPA会計学院公認会計士講座本科生論文式試験合格者の割合で算出しています。
論文式試験に合格したら
論文式試験に合格すると、公認会計士としてのキャリアのスタートラインに立てます。
論文式試験に合格しただけだと、公認会計士「試験合格者」の扱いです。
その後の実務経験と実務補習を経て、最終試験の修了考査に合格することで「公認会計士」になることができます。
ここからは、論文式試験に合格したあとのことについて解説していきます。
就職活動
公認会計士試験に合格すると、就職活動が始まります。
就職活動をする多くの方は監査法人に就職することになりますが、監査法人以外の一般事業会社へ就職する人も増えてきています。
監査法人以外の会社であれば、試験合格者ではない人と同じように就職活動をしていくことになりますので、ここでは監査法人への就職について解説していきます。
定期採用で監査法人に就職するには、論文式試験に合格していることが前提となるため、本格的な就職活動は論文式試験後に始まります。
就職活動は短期決戦で、面接から内定通知が出るまでの期間は1週間程度、説明会の期間をあわせても2か月程度で終わります。
監査法人が就活生に接触してもよい期間を大手の4法人で合意した「リクルート協定」があり、スケジュール感の参考になります。
参考:4法人東京事務所「リクルート協定」
既卒、社会人経験者も含め、試験合格のタイミングでまとめて採用されるため、同期に社会人経験者がいることや、年上の後輩ができることも珍しくありません。
大学3年生より前に合格して採用されると、非常勤職員として働くことができます。
仕事内容
監査法人での主な仕事は、会計監査やコンサルティングになります。
会計監査は、クライアントの財務諸表が正しく作成されているかをチェックする仕事です。
会計監査は公認会計士だけが行える独占業務になっています。
コンサルティングは、クライアントからの、主に会計関連での相談に対してアドバイスをしたり、クライアントに出向して課題を一緒に解決したりする仕事です。
働きやすさ
忙しい時期と落ち着いている時期がはっきりとしています。
そのため、季節労働者と表現されることもあります。
3月決算の会社の監査業務を前提とすると、4月から5月が忙しさのピークで、ゴールデンウィークは繁忙期のため、休むことはほぼ不可能です。
また、6月、9月、12月は、四半期決算の監査があるため、7月、10月、1月も忙しくなりますが、それ以外の月は落ち着いています。
繁忙期以外は休みを取りやすく、特に8月の夏休みと12月の冬休みを長くとることができます。
ゴールデンウィークの代休という意味もありますが、2週間から1か月程度休む人が多いです。
どのクライアントを担当するかにもよりますが、リモートワークも進んでいます。
収入
高収入が見込める仕事です。
「特別なスキルがあれば」、「営業成績が優秀であれば」というわけではなく、普通の人でも年収1,000万円は超えます。
国税庁の令和4年 民間給与実態統計調査によると、日本の平均年収が458万円になるようですが、平均と比較しても多くの収入が得られます。
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参考公認会計士の給料事情!基本給や残業時間、休みの取りやすさについても解説
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将来性
今は稼げる資格でも、これから目指す人にとっては、将来性も気になるところ。
今からでも目指す価値があるか、安定した資格であり続けるのかという点も解説します。
AIの影響
AI技術の進展により仕事がなくなるのでは?と言われることもある職業の1つです。
特に会計監査は、会社の経理データを元に分析を行ったり、重要な取引は根拠となる契約書等との照合を行ったりと単純作業が多いため、AIに代替されるものも多いと思います。
一方で、会社は日々同じことをしているだけではないため、単純に判断できない処理の検討や、新しい基準や制度への対応、判断の余地がある処理の検討等、単純に処理できない仕事も多くあります。
そのため、単純作業はAIに代替されていくと考えられますが、前例のない処理や、複雑な判断、専門知識が求められる業務においては、人間の専門家の存在が重要となるため、より高度な業務に集中できるようになり、やりがいも増すのではないでしょうか。
新しい制度
サステナビリティ情報への保証というものが国際的に議論されています。
詳細は別の記事にしますが、企業の公表している有価証券報告書にサステナビリティ情報というものを記載することが義務付けられており、その記載の妥当性を第三者が保証しようという話が出ています。
公認会計士が行うのか、公認会計士以外でもいいのか等、詳細は決まっていませんが、サステナビリティ保証も今後の仕事として大きなものになるのではないかと思います。
その他
監査法人に所属して働く場合の観点で記載してきました。
公認会計士という資格を持っていると、会計のプロフェッショナルとして、経理や経営企画、コンサルティング会社等の会計に関する部署や会社に転職しやすかったり、独立して事務所を持つこともできます。
また、監査法人に所属しながら出向という形で事業会社や官公庁で働くこともできます。
つまり、公認会計士の資格を持つと、会計の専門家として、自分のやりたいことを決めて、自分のやりたいようにキャリアを選択できるようになります。
まとめ
三大国家資格の1つである「公認会計士」について解説しました。
資格取得の難易度は高いですが、取得することで高収入やキャリアの選択肢が格段に広がりますので、チャレンジしてみてはどうでしょうか。